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今月26日、私はいしころ合同会社のインターン研修生として、日樽さんを訪問し写真撮影をしました。日樽は、1930年に創業し、秋田杉を使った桶や樽を製造し続けているとても歴史深い老舗です。なかでも酒樽の製造が主流であり、訪問した際も酒樽を製造中でした「側造り」や「正直」「竹巻き」など、その工程を写真に収める事ができました。

私は以前大学で「働く人を撮る」という課題があり、曲げわっぱを造る人の姿を撮影した事があります。桶・樽や曲げわっぱはどちらも秋田杉を使用しており、秋田の伝統工芸品ならではの上品な香りが漂う作業場でした。そもそも、桶・樽と曲げわっぱは、木の使い方が違ううえに、使う道具や、造る物の大きさも異なります。しかし、どちらにも共通している事は、職人さんが秋田杉一本一本に真摯に向き合っている姿です。ミリ単位の目利きや、感覚が体に染み付いているようで、まさに職人技でした。今まで造り上げてきた数は計り知れないことでしょう。

日樽の酒樽はイベントなどで使われることも多かったので、今年はコロナの影響でイベントが減り、使用される機会が減少してしまっているようです。これから先コロナや時代の流れによって、伝統的な工芸品や、それを造りあげる素晴らしい職人さんの技が失われてしまう事がないよう、地元の人から他の地域の人まで、もっと秋田杉の桶・樽の魅力を知ってほしいと思いました。そのためには、誰かが伝えていかなければなりません。それを伝えるのが、私が目指すデザイナーの仕事なのかもしれないと改めて感じました。

大学生インターン研修生 Natsu